7日間ブックカバーチャレンジ⑦

Day 7 あかね空
はい最終日でございます。ここまで特にこれといった盛り上がりもなく、割と淡々とやってきましたが最終日も同じくでございます。

最終日は山本一力作のあかね空。これは京都で修業した豆腐職人が江戸に出てきて店を出すという時代劇です。

豆腐屋の時代劇。

これだけではなんのこっちゃ分からん話かと思いますが、これがまあ面白いんですわ。

筋をもうちょっと追ってみるとですね、若き豆腐職人が志もって京都から江戸に上ってきて豆腐屋を構え、そこで色んな人に出会い支えられながら豆腐屋を営んでいく。そんなお話です。いやいやなんか普通やん!そうお思いかもしれませんがそれがすべてであり、そんな当たり前の豆腐屋の人生がジワジワ沁みるんですよ。

これを最初に読んだのは今から10年以上前か、あの頃はまだ子供もいなかったが、今妻子を持って曲がりなりにも自分の看板立ててやっているからこそ、読み返せばまた違った景色が見えるだろう。そんな一冊です。

作者の山本一力は異色の時代劇作家でして、切った張ったの時代劇ではなく主役は町人商人がメイン。町のぼてふりやってる若い娘がたまたま拾った財布に贋金が・・・。といったような、商売や当時の風俗絡めた描写が絶品。そしてそこに通底する人情が涙を誘う。

商売人こそ読んでみるとガッツリハマる不思議な魅力溢れる、そんな山本一力の世界をぜひ一度手に取ってみてください。

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チャレンジ概要
読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する