40代のゲーマー事情

Lot.no 009 YOR1

今日の一枚はバトオペ2クラン夜明けのおっさん旅団Tシャツです。

おっさんになってもいまだゲームをやっているといろいろとあります。
まず嫁さんに嫌がられる。テレビを占領してしまうのでリビングでゲームなんて
早々できません。子供にも悪影響だとブツブツ文句言われることもしばしば、
それどころか「こんなものは無駄だよね」とバッサリ斬って捨てられたりもしますねぇ、ええ、あります。

それでもめげずに、飽きもせず毎日やっておりますが、今と昔ではゲームもずいぶん変わりました。我々はファミコンショックをリアルタイムで経験した世代です。当時、ファミコンはどこに行っても売り切れで手に入らなかった。子供心に親に言っても仕方が無いレベルと諦めていました。しかしある日の日曜日親父が言いました。

「ファミコン欲しいか?」

そら欲しいに決まってます、一も二もなく頷きました。そして親父の車に乗って出かけます。もうワクワクが止まりませんがどうやら近所のおもちゃ屋に行く様子がなく家からどんどん遠くに向かって車は走っていきます。やがて着いたのはどこかの町の工場のような場所。なんというか殺伐とした幹線道路からちょっと奥まった場所にある工場地帯の一角。子供心になんかヤバいなと感じ取っていました。車を降りるとそこには自分たちと同じような父親に連れられた子供達が列をなし、薄暗い倉庫の入り口に吸い込まれていきます。

30分ほどしてやっと親父と自分も倉庫の中に入ることができました。倉庫の中は真っ暗で、奥の天井に一つだけ水銀灯が点いています。その下にはでっぷりと肥えたおっさんがおり、おっさんの後ろにはファミコンが積み上げられていました。そしておっさんの目の前のテーブルには様々なファミコンソフトが並べてあり、自分たちがおっさんの前までくるとおっさんは言いました。

「この中から二つ選んでや」

忘れもしません。あのおっさんの凍てつくような視線と水銀灯の光の中に舞う塵芥を。自分はマクロスとエグゼドエグゼスを選び、親父の手をしっかりと握って逃げるように車へと戻りました。

そして現在。あの頃から今に至るまで様々なゲーム機が生みだれては消えていき、技術は進みテレビはブラウン管から薄型液晶テレビになり、ゲームはインターネットと結びつきソロプレイからマルチプレイが当たり前の世界となりました。そんな中、40代になった自分はバトオペ2においてクラン(仲間同士集まってつくるチームみたいなもん)を立ち上げました。他の活発に活動するクランとは違いクラン報酬が欲しいだけの放置クランなのですが、「引っ込まない腹、痛み出す膝が俺たちが生きてきた証」というキャッチコピーに同調したおっさん達が地味に登録してくれたようで今では20数名を超えるクランとなりました。そこでせっかくなのでクランマッチという団体戦に出てみようぜ!と声をかけたのですが、いかんせん40代ガノタ達は腰が重く、ましてや今更おっさん達がVC(ヴォイスチャット)で「あ、どもはじめまして」「いやどうもよろしくお願いします」なんてこっぱずかしくてできませんよね。我がクラン唯一の陸宙A帯の方のみお返事いただきました。寂しい限りでございます。

そんな現実と向き合いながら今日もおっさんゲーマーはコントローラーを握るのでした。